ナトリウム硫黄電池(NAS電池) とは?原理と特徴について解説。

「ナトリウム硫黄電池(NAS電池)」とは、負極にナトリウム、正極に硫黄を使用した二次電池です。 硫黄を用いているため容量が非常に大きく、電池の中でも"コンパクトさ"が特徴です。

 

NAS電池はナス電池と呼びます。

ナスを動力にして動く、世界初の夏野菜電池!?

 

本稿では、

「ナトリウム硫黄とはどんな電池?」

「ナトリウム硫黄電池の原理と特徴について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

ナトリウム硫黄電池の概要

 

「ナトリウム硫黄電池(NAS電池)」とは、負極にナトリウム、正極に硫黄を使用した二次電池です。NAS電池は、ナス電池と呼び、日本ガイシの登録商標です。円筒形で用いられています。

 

硫黄を用いているため容量が非常に大きく、蓄電池の中でも"コンパクトさ"が特徴です。保守も容易です。

 

以下、材料の理論容量です。リチウムイオン電池で使用されるコバルト酸リチウムと比較しても約6倍の容量を持っていることがわかります。

  • コバルト酸リチウム 274mAh/g
  • 硫黄 1670mAh/g

 

以下、ナトリウム硫黄電池の特徴をまためた表です。

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用途

 

用途は大規模な電力貯蔵用の蓄電池として使用されます。夜間電力の貯蔵や、太陽光発電、風力発電と組み合わせて、出力安定化させる用途に使われます。

 

現在、青森県六ヶ所村で風力発電と組み合わせて使用されています。

 

六ケ所村は、原子力発電、太陽光発電、風力発電など、いろいろやっているんですね。

 

歴史

 

ナトリウム硫黄電池の歴史は、1960年代にアメリカのフォードが電気自動車の動力源として開発したのが最初とされます。その後、1980年代にムーンライト計画でも、開発されました。

 

ムーンライト計画は、日本でオイルショックがあった経験を踏まえ、1978年から1993年度間で実施された省エネルギー技術研究開発の長期計画です。燃料電池など数々の電池の研究がされました。

 

2003年には、日本ガイシが、東京電力と共同で、世界で初めて量産化に成功しました。日本ガイシのNAS電池は、アメリカ、ドイツ、イタリア、アラブなど200ヶ所以上の稼働実績があります。日本でも、島根県の隠岐諸島や、千葉県の"柏の葉スマートシティ"に導入されています。

 

日本ガイシというと、名古屋の大手セラミックスメーカーですよね。電池も作っていたんですね。

 

構成

 

ナトリウム硫黄電池の構成は以下のとおりです。

 

  • 正極 硫黄(S) 
  • 負極 ナトリウム(Na)
  • 電解液 固体電解質
  • セパレータ 固体電解質をしようするため不使用

 

ナトリウムと言えば塩(塩化ナトリウム)ですね。海に行けば、豊富にあるので、資源には困らなそうですね。また、硫黄も山の温泉地に硫化水素がたくさんあるので資源面での心配がないです。

 

固体電解質が常温で非電導性であるため、300℃程度の高温で動作させて電導性を高めています。これが欠点でもあります。

 

高温作動させるって設備が大変そうだ・・・

 

反応

 

ナトリウム硫黄電池の反応は以下の通りです。放電時には、負極ではナトリウムがナトリウムイオンになり、電子を放出します。正極では硫黄が電子とナトリウムイオンを受け取り、五硫化ナトリウムが生成されます。充電反応は全くの逆になります。

 

電解液が固体電解質であり、リチウムイオン電池のような副反応がないため、シンプルな反応で長寿命です。10年以上は持ちます。

 

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起電力

 

ナトリウム硫黄電池の起電力は1.78~2.08 Vです。公称電圧は1.93Vです。鉛蓄電池の公称電圧2Vに近いです。鉛蓄電池と比較して、体積と重量が1/3です。

 

だったら鉛蓄電池をナトリウム硫黄電池に置き換えれば良いのでは?

 

それでできません。理由は、ナトリウム硫黄電池は高温動作が必要であるため、簡単に置き換えることははできません。

 

同じフロー電池であるレドックスフロー電池1.2Vよりも起電力が優れています。 

 

問題点

 

ナトリウム硫黄電池の問題点は、300℃の高温動作です。常温では動作しないため放電時の発熱と、ヒーターによる加熱を利用しています。

 

リチウムイオン電池同様に、過去に火災も起こっているため、固体電解質を使っているからといって必ずしも安全とは限りません。しかし、年々、対策は行われているようです。

 

電池と発火は切っても切り離せない関係なのか・・・

 

特徴

 

ナトリウム硫黄電池の特徴は以下の通りです。

 

メリット

  • 大容量
  • 硫黄が安い
  • 鉛蓄電池の1/3の体積・重さ
  • 副反応ないため長寿命
  • 自己放電が少ない
  • 長寿命(15年程度使用可能。4500充放電サイクル)
  • メモリー効果が少ない
  • 資源面が豊富である

 

デメリット

  • 高温動作が必要
  • 運転停止に時間がかかる

 

硫黄を用いたナトリウム硫黄電池に関しては以下の記事を参考にしてみてください。

www.batterystudy.com

 

他のフロー電池については以下の記事を参考にしてみてください。

www.batterystudy.com

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