リチウム空気電池とは?原理と特徴について解説。

「リチウム空気電池」とは、負極に金属リチウム、正極に空気中の酸素を使用した次世代の一次電池、二次電池、燃料電池です。 電池の中でも軽量で、リチウムイオン電池の約300倍の容量を持っています。

 

空気?電池?どうやったらこの2つが結びつくんだ・・・

 

本稿では、

「リチウム空気電池とはどんな電池?」

「リチウム空気電池の原理と特徴について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

リチウム空気電池の概要

 

「リチウム空気電池」とは、負極に金属リチウム、正極に空気中の酸素を使用した次世代の一次電池または二次電池です。

 

正極活物質である酸素は空気中に無限にあり理論的には無限容量です。負極のリチウムは理論容量3860mAh/gを持っています。そのため、理論エネルギー密度は現状最高です。リチウムイオン電池の約300倍の容量と言われています。

 

正極に酸素、負極に金属で最も軽いリチウムを用いることで、最高に軽い電池ができあがります。

 

以下、リチウム空気電池の特徴をまとめた表です。

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用途

 

リチウム空気電池は、まだ実用化されていませんが、自動車用(EV)で期待がされています。

 

似たような電池として、空気亜鉛電池がありますが、こちらは補聴器などのボタン形電池として実用化かがされています。

 

こんなに凄い電池なら早く実用化されて欲しいなぁ。

 

同じ空気を用いた電池である「亜鉛空気電池」は補聴器やポケベル用として実用化されています。外気から空気を取り入れるユニークな電池です。

 

歴史

 

1996年に米国の研究グループが開発したのが最初とされています。その後、日本の産業技術総合研究所(産総研)が改良しました。

 

リチウム空気電池は最近開発された技術なんですね。

 

構成

 

リチウム空気電池の構成は以下のとおりです。

 

  • 正極 酸素(O2)  (触媒として多孔質炭素)
  • 負極 リチウム(Li)
  • 電解液 有機電解液 (水性電解液)
  • セパレータ 不使用 (固体電解質)

 

空気中の酸素(O2)を活物質にする電池です。リチウムは高価ですが、酸素なら空気中に豊富に存在していますね。

 

反応

 

原型の反応

リチウム空気電池の反応は以下のとおりです。放電時には、負極ではリチウムがリチウムイオンになり、電子を放出します。正極では酸素が電子とリチウムイオンを受け取り、酸化リチウムが生成されます。

 

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しかし、この反応では、酸化リチウム生成時に、触媒表面を目詰まりさせてしまう問題がありました。それを、産総研が改善しました。

 

産総研が改良した反応

改善点としては、正極側だけに水溶性電解液を用いて、負極は有機電解液を用いて、固体電解質で仕切ります。そうすることで、正極では2段階反応が起こり、水酸化リチウム(LiOH)が生成します。水酸化リチウムは水溶性なので、目詰まりをすることがなく劣化が抑制されます。水分や窒素との反応についても防止できます。

 

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産総研の技術あっぱれですね。


起電力

 

リチウム空気電池の起電力は約2.7Vです

 

問題点

 

リチウム空気電池の問題点は、正極で固体の酸化リチウムが生成して、反応に寄与すべき電極の微細孔を目詰まりさせてしまい、電池劣化が起こることです。

 

また、金属リチウムと空気中の水分や窒素との反応で、水素ガスが発生したり、放電障害も起きます。

 

充電も考慮すると、リチウム金属のデンドライト発生も課題です。また、酸素もでるので酸素の処理も考えなければなりません。

 

特徴

 

以下、リチウム空気中電池の特徴です。

 

メリット

  • 大容量
  • 超軽量

 

デメリット

  • 正極の目詰まり
  • 水分や窒素との反応
  • 充電時のリチウムデンドライト
  • 充電時の酸素処理

 

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