亜鉛空気電池とは?原理と特徴について解説。

「亜鉛空気電池」とは、負極に亜鉛、正極に空気中の酸素を使用した一次電池・二次電池です。 空気を使用するため電池の中でも軽量で、リチウムイオン電池よりも遥かに高い量を持っています。一次電池は実用化されていますが、二次電池はまだ実用化されていません。

 

亜鉛空気電池は、ボタン電池表面に付いたシールを剥がして、空気を導入してから使用するユニークな電池です。

 

本稿では、

「亜鉛空気電池とはどんな電池?」

「亜鉛空気電池の原理と特徴について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

亜鉛空気電池の概要

 

「亜鉛空気電池」とは、負極に亜鉛、正極に空気中の酸素を使用した次世代の一次電池、二次電池、燃料電池です。 空気を使用するため電池の中でも軽量で、リチウムイオン電池よりも遥かに高い量を持っています。

 

正極活物質である酸素は空気中に無限にあり理論的には無限容量です。そのため、高い容量が実現できます。

 

現在、実用化されているのは、一次電池です。充電式の二次電池タイプも開発はされていますが、金属電極を使ったときの”つきもの”であるデンドライト発生が課題とされています。

 

以下、亜鉛空気電池をまとめた表に

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用途

 

亜鉛空気電池の用途は、補聴器やポケベルに使われています。Panasonicなどから、ボタン形電池として、販売されております。実用化されているのは一次電池です。

 

ボタン形電池の表面のシールを剥がすと、正極に空気が供給されて使用できるようになるというユニークな電池でもあります。

 

歴史

 

亜鉛空気電池電池の歴史は、1907年フランスのフェリーによって開発されたことが初めてとされます。

 

日本では1935年に古河電池が初めてです。その後、1985年に松下電池工業が、1987年東芝電池が生産を始めました。

 

構成

 

亜鉛空気電池電池の構成は以下の通りです。

 

  • 正極 空気(O2) 多孔質炭素を触媒に使用
  • 負極 亜鉛(Zn)
  • セパレータ
  • 電解液 水酸化カリウム

 

正極では拡散紙の空気孔を通して、空気を取り入れます。購入時には、空気孔がシールで塞がれていますが、剥がすと空気が自動的に取り込まれます。一度剥がしてしまうと、放電は止まりませんがが、100~300時間は使用可能です。

 

昔は、電解液に塩化アンモニウムを使っていました。

 

反応

 

亜鉛空気電池電池の反応は以下の通りです。負極では電子を放出し、水酸化亜鉛(Zn(OH)4)を生じます。そして、後続反応として、酸化亜鉛(ZnO)ができます。正極では、酸素が電子を受け取り、水酸化物イオンが生じます。

 

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起電力

 

亜鉛空気電池の公称電圧は1.4Vです。以下標準電極電位になります。理論起電力を計算すると、0.4-(-1.23) = 1.63Vになります。

 

  • Zn(OH) | Zn -1.23
  • O2 | OH- 0.40

 

放電電圧が一定という素晴らしい特性も兼ね備えています。この特性は、過去に紹介した酸化銀電池も持っています。

 

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問題点

 

低温劣化が早いため、寒い場所での使用が厳しいです。5℃を切ると劣化が著しいため、北海道や東北などの寒冷地では注意が必要です。

 

また、二酸化炭素により電解液劣化が起こります。寿命低下がおこります。ファンヒーターやストーブなどの近くで使用すると、劣化が早まります。


充電式はまだ開発中ですが、デンドライト発生が問題となっております。

 

またデンドライト先生がでてくるんですね。。。

 

特徴

 

以下、亜鉛空気電池の特徴です。

 

メリット

  • 大容量(一次電池の中では一番)
  • 超軽量
  • 放電電圧がほぼ一定
  • 低コスト(アルカリ電池の1~1.5倍)


デメリット

  • 低温劣化が早い
  • 二酸化炭素による寿命低下
  • 充電時のリチウムデンドライト
  • 湿度依存性(湿度60%が最適)
  • 一度シールを剥がすと放電が止まらない。

 

リチウム空気電池の記事も参考になりますよ。

 

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