塩化チオニルリチウム電池とは?原理や特徴について解説。

「塩化チオニルリチウム電池」とは、負極に塩化チオニル(SOCl2)、正極にリチウム(Li)を使用した一次電池です。ガスメーターなどに使用されます。店頭でみかけることはありありません。

 

リチウムイオン電池とは異なる、リチウム"一次電池"です。フッ化黒鉛リチウム電池の兄弟です。

 

本稿では、

「塩化チオニルリチウム電池とはどんな電池?」

「塩化チオニルリチウム電池の用途や反応について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

塩化チオニルリチウム電池の概要

 

「塩化チオニルリチウム電池」とは、負極に塩化チオニル(SOCl2)、正極にリチウム(Li)を使用した一次電池です。一次電池のため充電はできません。リチウム一次電池の中でも、電圧が最も高くエネルギー密度も高いです。

 

主に、電気・ガスメーターなどに使用されます。店頭でみかけることはありありませんが、日本では、マクセルや東芝が販売をしています。

 

以下、塩化チオニルリチウム電池の特徴をまとめた表になります。

f:id:ssmyi418:20191124171115j:plain

 

用途

 

塩化チオニルリチウム電池の用途は、 OA機器、FA機器、水道・電力メーター、火災報知器に使用されます。他にも、防犯・警報装置・宇宙用の特殊電源として使用されます。コイン形、円筒形で使用されます。

 

市販されてはいなたいため、店頭でみかけることはありません。Amazonで販売を確認しています。EEMBという中国メーカー品のようです。

 

歴史

 

塩化チオニルリチウム電池の歴史については、調査しましたがあまり具体的な内容がないため、いまのところわかりません。わかり次第、記事をアップデートいたします。

 

現在、東芝が「ウルトラリチウム」という商品名で販売しています。 マクセルも販売をしています。

 

構成

 

塩化チオニルリチウム電池の構成は以下のとおりです。

 

  • 正極 塩化チオニル(SOCl2)
  • 負極 リチウム(Li)
  • 電解液 塩化チオニル(SOCl2)
  • セパレーター

 

正極活物質が電解液を兼ねている電池になります。レドックスフロー電池も同様に、活物質と電解液が両方を兼ねている電池です。

www.batterystudy.com

 

塩化チオニルリチウム電池の構造は以下のとおりです。塩化リチウムは液体であるため、リチウムと接触して、一見ショートしそうに思います。しかし、リチウム表面に塩化リチウムの被膜が生じて、これがセパレーターとして機能するためショートすることはありません。また、この被膜が正極との反応を防ぐため、自己放電が小さいです。

 

f:id:ssmyi418:20191124165313j:plain

 

塩化チオニルが空気中の水分と触れると、有毒な亜硫酸ガスと塩化水素に分解するため、完全密閉型構造で外気との接触を防いでいます。

 

反応

 

塩化チオニルリチウム電池の反応は以下のとおりです。

 

  • 負極 リチウムがリチウムイオンとなり、電子を放出します。
  • 正極 塩化チオニルがリチウムと電子を受け取り、塩化リチウム、硫黄、二酸化硫黄が生成されます。

 

f:id:ssmyi418:20191124165210j:plain

f:id:ssmyi418:20191124165237j:plain

 

起電力

 

塩化チオニルリチウム電池の公称電圧は3.6Vです。他のリチウム電池(二酸化マンガンリチウム電池、フッ化黒鉛リチウム電池)に比べて高電圧です。リチウム一次電池の中では最も高い電圧になります。

 

このため、エネルギー密度が非常に高く、アルカリ電池の6倍以上、他のリチウム一次電池の1.2倍以上です。

 

特徴

 

塩化チオニルリチウム電池の特徴は以下のとおりです。 

 

メリット

  • 放電時一定電圧
  • 高容量(フッ化黒鉛電池の倍)
  • 自己放電が少ない(長期保存)
  • 使用温度範囲が広い

 

デメリット

  • リチウムが高い
  • リチウムが危険
  • 正極が液体であり構造制限がある
  • 負荷特性が悪い

 

リチウム一次電池の兄弟である、二酸化マンガンリチウム電池と、フッ化黒鉛リチウム電池の記事も参考になります。

www.batterystudy.com

www.batterystudy.com

www.batterystudy.com