亜鉛臭素電池とは?原理と特徴について解説。

「亜鉛臭素電池」とは、負極に亜鉛(Zn)、正極に臭素(Br2)を使用した二次電池です。照明や自動車用や蓄電池として使用されています。

 

臭素なんて名前からして臭そうな電池だなぁ。

臭素はハロゲンで、塩素の替わりなどにも使用されます。オゾン層破壊の原因物質の一つでもあります。

 

本稿では、

「亜鉛臭素電池とはどんな電池?」

「亜鉛臭素電池の原理や用途について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

亜鉛臭素電池の概要

 

「亜鉛臭素電池」とは、負極に亜鉛(Zn)、正極に臭素(Br2)を使用した二次電池です。レドックスフロー電池と同様に、電解液を循環させて充放電を行うフロー電池です。

 

照明や自動車用に検討されており、蓄電池としては実用化されています。

 

以下、亜鉛臭素電池の特徴をまとめた表になります。

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用途

 

亜鉛臭素電池の用途は、 照明、電気自動車、蓄電など検討されています。100年以上前に、照明が実用化されましたが、現在はほぼ使われていません。

 

アメリカやヨーロッパやオーストラリアで蓄電用に使用されています。

 

歴史

 

亜鉛臭素電池の歴史は、 1870年頃にフランスとプロセインの戦争で、照明用に使用されたことが最初とされます。

 

その後、セパレーターの開発により、蓄電や自動車用に注目されるようになりました(1980年頃のムーンライト計画など)。しかし、現在は開発があまりされていません。

 

構成

 

亜鉛臭素電池の構成は以下のとおりです。

 

  • 正極 臭素(Br2)、炭素(C)
  • 負極 亜鉛(Zn)
  • 電解液 臭化亜鉛水溶液(ZnBr2)
  • セパレーター ポリエチレンなど

 

炭素は活物質ではなく、電子を運ぶ集電体の役割を果たします。

 

反応

 

亜鉛臭素電池の反応は以下のとおりです。

 

  • 負極 亜鉛が亜鉛イオンとなり電子を放出します。
  • 正極 臭素が電子を受け取り、臭素イオンになります。

 

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充電は全く逆の反応です。開発当初は、充電時の欠点が大きく、以下の2点が問題です。

  • 充電時の亜鉛のデンドライト析出によるショート
  • 臭素が負極側に拡散して、亜鉛電極を溶解してZnBr2を生成し、自己放電する。

 

これらの問題を防ぐために、以下の解決策を行いました。

  • セパレーターを用いる。
  • 電解液中に錯化剤(テトラアルキルアンモニウム)を添加し、臭素と結合させて電解液不溶の臭素錯体としてタンクに貯蔵する。これは放電時に分解し、臭素イオンになります。

 

単純な反応式ですが、様々な工夫がされています。

 

起電力

 

亜鉛臭素電池の起電力は1.82Vです。亜鉛の標準電極電位は-0.76V、臭素の標準電極出には+1.062Vであり、理論起電力としては約1.82V(1.062-(-0.76))となります。

 

 

特徴

 

亜鉛臭素電池の特徴は以下のとおりです。 

 

メリット

  • 理論エネルギー密度が高い
  • 常温で稼働
  • 材料が安い
  • 優れたサイクル特性(10000回充放電)

 

デメリット

  • 亜鉛デンドライトによる内部ショート
  • 自己放電反応

 

その他のフロー電池についての記事も参考になります。

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