鉛蓄電池とは?構成と充放電反応について解説

鉛蓄電池とは、電極に鉛と酸化鉛を用いた二次電池で、主に自動車用バッテリーに使われているメジャーな電池です。

 

鉛と言うと釣りのシンカー(重り)だね。小さいのにめちゃくちゃ重いんでだよなぁ。。。

 

本稿では、

「鉛蓄電池はどんな電池なの?」

「鉛蓄電池の構成や充放電反応はどんなものなの?」

という疑問についてお答え致します。

 

 

鉛蓄電池の概要

 

鉛蓄電池とは、電極に鉛と酸化鉛を用いた二次電池です。1859年にフランス人のプランテが発見しました。

 

生産コストが安いことから、世界で最も生産されています。

 

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用途

 

鉛蓄電池の用途は自動車用バッテリーがメインです。

 

他にも、フォークリフト、ゴルフカート、車椅子などにも利用されています。

 

鉛って、"鉄"より重いからなぁ。流石に小型電子機器には向いてなさそうだなぁ。。。

 

歴史(余談)

 

日本では「株式会社GSユアサ」の創業者の島津源蔵が初めて、鉛蓄電池の試作に成功しています。当時、無線通信機にも使用されて、日露戦争でも活躍しました。

 

現在、「GSユアサ」の鉛蓄電池の世界シェアが高くとても有名です。いろんな車に載っています。

 

「GSユアサ」は、京都の超ホワイト企業として、穏やかな社風と落ち着いた人柄の人が多く、就活生におすすめでもあります。

 

構成

 

鉛蓄電池の構成は、以下のとおりです。

  • 負極 鉛(Pb)
  • 正極 二酸化鉛(PbO2)
  • 電解質 希硫酸 (水素イオンH+と硫酸イオンSO4(2-)にわかれる)
  • セパレーター 合成樹脂製で多孔質の隔離板

 

希硫酸は水溶液であり、H+とSO4-に分かれています。

 

硫酸というと事件の匂いがするけど、実は洗剤の原料でもあるという。

 

充放電反応

 

鉛蓄電池の放電反応は図のとおりです。正極・負極に硫酸鉛(PbSO4)が生成します。電解液中の硫酸の濃度は下がり水が生成されます。

 

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充電は放電の逆です。正負極にできた硫酸鉛(PbSO4)が無くなり、電解液中に硫酸の濃度が増加する。

 

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公称電圧

 

鉛蓄電池の公称電圧は、単セルで2Vです。正極のSHE基準の標準電極電位は1.70、負極は-0.35です。つまり、1.70 - (-0.35) =約2V ということになります。

 

余談ですが、自動車用バッテリーはこれを6つ直列でつないでおり、12Vです。

 

寿命

 

3000~3500回程度の充放電で、使用頻度にもよりもますが、約5~10年程度で寿命がきます。

 

一度、バッテリーが上がってしまう(完全放電する)と、劣化が早まります。理由は、負極板表面に硫酸鉛(PbSO4)の硬い結晶が生じやすくなります(サルフェーション)。

 

サルフェーションが起こる理由は、完全放電すると放電が進行し、それとともに硫酸鉛ができる反応が起こるためです。すると、正極・負極ともに硫酸鉛になり、電位差は0V付近になります。こうなると充電もできにくくなります。

 

鉛蓄電池では一般的に、表面積を上げるために電極スポンジ状になっていますが、サルフェーションが起こると、表面積が下がり、起電力が下がります。しかも内部抵抗が上昇して、劣化の要因になります。

 

ハザードランプやライトの消し忘れには、くれぐれもご注意あれ。鉛蓄電池は満充電状態が一番長持ちする電池なのです。

 

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