固体酸化物形燃料電池(SOFC)とは?原理と特徴について解説。

「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」とは、負極(燃料極)に水素(H2)、正極(空気極)に酸素(O2)を、電解質に固体酸化物形電解質を使用した燃料電池です。用途は、自動車、コージェネレーションシステム、携帯機器などがあります。

 

燃料電池には複数の種類があります。今回は固体高分子形燃料電池を紹介します。

 

本稿では、

「固体酸化物形燃料電池とはどんな電池?」

「固体酸化物形燃料電池の原理や特徴について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

固体酸化物形燃料電池の概要

 

「固体酸化物型燃料電池(SOFC)」とは、負極(燃料極)に水素(H2)、正極(空気極)に酸素(O2)を、電解質に固体酸化物電解質を使用した燃料電池です。英語では、Solid oxide fuel cellと表記され、SOFCと略されます。

 

基本的な原理は水素と酸化から水と電気エネルギーを生みだします。

 

この燃料電池の大きな特徴は、電解質に固体酸化物(イットリア安定化ジルコニア、YSZ)を使用していることです。この固体酸化物は、高温でイオン導電性を示すため、作動温度は700℃~1000℃になります。しかし、低温形燃料電池と比較して、発電効率が高いメリットがあります。

 

用途は、自動車、コージェネレーションシステム、携帯機器などがあります。

 

以下、固体酸化物形燃料電池の特徴をまとめた表になります。

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用途

 

固体酸化物形燃料電池の用途は、自動車、コージェネレーションシステム(エネファーム)、携帯機器などがあります。航空機用の補助電源などの使用も考えられています。

 

家庭用コージェネレーションシステム(エネファーム)としては既に実用化されています。

 

歴史

 

固体酸化物形燃料電池の歴史は、 1899年にネルンストにより開発されたのが初めてと言われています。

 

1986年にウエスチングハウス・エレクトリック(アメリカ)が試験機を開発し、日本に導入したことをきっかけに注目されるようになりました。

 

ウエスチングハウスというと、原子力部門が東芝の子会社になり、東芝の大きな赤字事業でした。2017年に経営破綻もしています。

 

日本では、2011年から大阪ガスがNEDOのプロジェクトに参加して開発を行いました。2019年現在までに、家庭用コージェネレーションシステムとして(エネファーム)、1000台以上販売されています。

 

大阪ガスは、固体高分子形燃料電池と、固体酸化物形燃料電池の両方を商品化しています。

 

他にも、日本ガイシ、JX、IHI、三菱重工のメーカーも開発をしております。

 

構成

 

固体酸化物形燃料電池の構成は以下のとおりです。

 

  • 正極(空気極) 酸素(O2) 
  • 負極(燃料極) 水素(H2)
  • 電解質 固体酸化物 イットリア安定化ジルコニア(YSZ)
  • セパレーター

 

固体酸化物にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が使われます。イットリア安定化ジルコニアはジルコニア(ZrO2)に、酸化イットリウム(Y2O3)を添加して、室温下でのジルコニアの結晶構造を安定化させたものです。

 

固体酸化物というと聞き慣れないですが、 お茶碗や皿などのセラミックス(陶器)のことです。

 

白金触媒が不要であるため、燃料として水素(H2) だけでなく、一酸化炭素(CO)も使用されます。

 

一酸化炭素は白金を劣化させてしまう原因であったため、白金触媒を使用する低温形燃料電池では、原料から一酸化炭素をいかに除去できるかがポイントでした。

 

負極には多孔質ニッケルとYSZ、正極には多孔質電子導電性酸化物が用いられます。

 

反応

 

固体酸化物形燃料電池の反応は以下のとおりです。

 

  • 負極 水素(H2)が、水素イオン(H+)を生成し電子を放出します。
  • 正極 酸素(O2)が水素イオン(H+)と電子を受け取り、水(H2O)を生成します。

 

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起電力

 

固体酸化物形燃料電池の理論起電力は1.23Vです。しかし、内部抵抗のため、0.7V程度になります。1セルが0.7Vと低電圧であるため、積層(直列)して高電圧にして使用します。 

 

特徴

 

固体酸化物形燃料電池の特徴は以下のとおりです。 

 

メリット

  • 低温形に比べて発電効率が高い
  • 廃熱を利用したコージェネレーションシステム
  • 都市ガスも利用可能で、既存インフラを転用可能 
  • 白金触媒不要でコストダウン、一酸化炭素使用可能

 

デメリット

  • 高温動作が必要
  • セラミックス材が高コスト
  • 起動時間が長い 
  • 小形化が困難

 

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