全固体電池の界面抵抗とは?最大の課題について解説。

全固体電池の界面抵抗とは、正極と固体電解質の間で、イオンが移動する時の抵抗です。 正極と固体電解質の界面(境界)で生じる抵抗であるため、界面抵抗と呼びます。

 

全固体電池の最大の課題になっている界面抵抗について焦点を当てて解説します。

 

本稿では、

「全固体電池の界面抵抗とはなに?」

「界面抵抗が生じる理由がわからない!」

という疑問にお答え致します。

 

 

背景 

 

全固体電池は正極と負極のイオンの伝導を"固体電解質"が担う電池です。近年、この固体電解質のイオン伝導率は向上し、液体電解質に近づいてきています。 

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つまり、原理的には、市販されているリチウムイオン電池に近づいてきています。しかし、まだクリアしなければならない大きな課題があります。その最大の課題になっているのが界面抵抗です。

 

界面抵抗とは?

 

界面抵抗とは、正極と固体電解質の間を、イオンが移動するときの抵抗です。正極と固体電解質の界面(境界)で生じる抵抗であるため、界面抵抗と呼びます。負極と固体電解質の界面抵抗については、大きな問題になっていません。

 

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なぜ界面抵抗が生じるの?

界面抵抗が生じる理由は諸説あり、その理由について深堀りしてみましょう。

 

界面抵抗が生じる原因

 

界面抵抗が生じる原因は、はっきりとした理由がわかっていないのが実情です。理由が諸説あるため、本稿では、それらを紹介致します。

 

原因① イオンの相互拡散
原因② 固体電解質の酸化分解
原因③ 界面の原子配列の乱れ

 

原因がまだ特定されていないんですね。これからの研究に期待しましょう。

 

原因① イオンの相互拡散

 

固体電解質の中にはリチウムを含むものがあります(例LGPS)。この場合、固体電解質中のリチウムが正極へ、正極中のリチウムは固体電解質中へ拡散してしまうということが、界面抵抗を大きくしている原因と言われています。

 

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原因② 固体電解質の酸化分解

 

固体電解質の中には、酸化分解に耐えられないものもあります。つまり、耐酸化性が悪いということです。正極の電位が高くなればなるほど、この界面抵抗が大きくなることもわかっており、酸化分解による分解物が界面抵抗の原因と言われています。

 

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原因③ 界面の原子配列の乱れ

 

正極表面の原子配列の乱れが、リチウムイオンの移動を抑制している可能性があることを報告されています(東工大と産総研と日本工業)。一方、結晶界面を規則正しく配列させることにより、界面抵抗が減少することがわかっています。

 

 

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