固体高分子形燃料電池(PEFC)とは?原理と特徴について解説。

「固体高分子形燃料電池(PEFC)」とは、負極(燃料極)に水素(H2)、正極(空気極)に酸素(O2)、電解質に固体高分子(ポリマー)を用いた燃料電池です。用途は、自動車、コージェネレーションシステム、携帯機器などがあり商品化されています。

 

燃料電池には複数の種類があります。今回は固体高分子形燃料電池を紹介します。

 

本稿では、

「固体高分子形燃料電池とはどんな電池?」

「固体高分子形燃料電池の原理や特徴について教えて」

という疑問にお答え致します。

 

 

固体高分子形燃料電池の概要

 

「固体高分子形燃料電池(PEFC)」とは、負極(燃料極)に水素(H2)、正極(空気極)に酸素(O2)、電解質に固体高分子(ポリマー)を用いた燃料電池です。英語では、polymer electrolyte fuel cell、と表記してPEFCと略されます。

 

原理は、水素と酸素の反応により水と電気エネルギーを作り出します。 

 

固体高分子形燃料電池の大きな特徴は、電解質としてイオン伝導性を有する固体高分子膜(イオン交換膜)を使用していることです。また、作動温度が固体酸化物形より低いため、低温形の燃料電池に分類されます。

 

用途は、自動車、コージェネレーションシステム、携帯機器などがあり商品化されています。

 

以下、固体高分子形燃料電池の特徴をまとめた表になります。

 

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用途

 

固体高分子形燃料電池の用途は、 宇宙用、自動車、コージェネレーションシステム、携帯機器などがあります。実際に商品化されて、世界中で使用されています。

 

日本では、大阪ガスからコージェネレーションシステム用として商品化されています。また、トヨタやホンダからも自動車が開発されました。

 

現在、4万時間(4.5年)の耐久性は確認されていますが、本格的に普及するためには倍以上の9万時間(10年)が必要とされます。

 

歴史

 

固体高分子形燃料電池の歴史は、 1953年にアメリカのGE社により開発されたことが最初とされます。1965年には、人工衛星Gemini5の電源として採用されました。

 

一時期、白金や固体高分子が高コストであったため、開発があまり進まなくなりましたが、1980年代に白金使用量を抑える技術が開発されて、再注目されるようになりました。

 

1993年には、カナダの会社(バラードパワーシステムズ)によりバスに搭載されました。これにより、多くの自動車メーカーが開発に取り組むようになりました。

 

1997年には、ダイムラー社、フォード社がバラード社に資本参入したことにより、世界的に燃料電池開発が盛り上がりました。

 

2002年には、トヨタ自動車、本田技研が世界初の燃料電池自動車を販売しました。

 

トヨタのMIRAIも固体高分子形燃料電池だったのです。

 

構成

 

固体高分子形燃料電池の構成は以下のとおりです。

 

  • 正極(空気極) 酸素(O2) 
  • 負極(燃料極) 水素(H2)
  • 電解質 固体高分子(パーフルオロスルホン酸、ナフィオンとも呼ばれます)
  • 触媒 白金(Pt)
  • セパレーター

 

固体高分子はパーフルオロスルホン酸、通称ナフィオン(デュポン社開発)が使用されます。30~50um程度の膜厚で使用されます。 パーフルオロスルホン酸は、水素イオンを導電を示すために水が必要になります。そのため、0℃以下や100℃以上では使用が厳しいとされます。

 

電極はカーボンをしようており、その表面に白金触媒またはテニウム-白金合金触媒が塗られています。

 

反応

 

固体高分子形燃料電池の反応は以下のとおりです。

 

  • 負極 水素(H2)が、水素イオン(H+)を生成し電子を放出します。
  • 正極 酸素(O2)が水素イオン(H+)と電子を受け取り、水(H2O)を生成します。

 

基本的な反応はリン酸形燃料電池と同じです。固体高分子形の一種にメタノールを使用するダイレクトメタノール燃料電池もありますが、その場合は反応が異なります。

 

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起電力

 

固体高分子形燃料電池の理論起電力は1.23Vです。しかし、内部抵抗のため、0.7V程度になります。

 

1セルが0.7Vと低電圧であるため、積層(直列)して高電圧にして使用します。大阪ガスでは、42V程度まで積層して使用しています。単純計算で、60セルほど積層していることになります。(42V÷0.7V = 60 セル)

 

特徴

 

固体高分子形燃料電池の特徴は以下のとおりです。 

 

メリット

  • 低温動作(起動や停止が迅速)
  • 固体高分子電解質のため液漏れ懸念が少ない
  • 白金触媒が高価

 

デメリット

  • 一酸化炭素が含まれると白金を劣化させる
  • 水素イオンを運ぶのに水分管理が必要
  •  固体酸化物形よりも発電効率は低い

 

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