【全固体電池】固体電解質(ガラス状)の作り方について解説。

固体電解質(ガラス状)の作り方には、溶融急冷法、メカニカルミリング法、固相合成法、溶液法(スラリー法)があります。

 

固体電解質の製造方法の種類や作り方について解説していきます。

 

本稿では、

「全固体電池の固体電解質の作り方について教えて欲しい」

「固体電解質の作り方って、いろいろあるの?」

という疑問にお答え致します。

 

 

概要

 

固体電解質(ガラス状)の作り方には、溶融急冷法、メカニカルミリング法、固相合成法、溶液法(スラリー法)などがあります。

 

各作り方において、混合時間や反応時間などの条件を選択することにより、得られる固体電解質の特性が変わってきます。

 

本記事ではこれらの作製方法について、詳細を解説していきます。

 

溶融急冷法

 

溶融急冷法は、原料を所定量混合し、高温で反応させ、急速冷却することにより、ガラス状の固体電解質を作る方法です。

 

条件により、化合物を構成する各原子間の結合力、結合距離、角度などの構造がガラス形成能に関係します。

 

【作製の例】
乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、ガラス管(石英)に入れ真空封入します。400℃~1000℃で1~10時間反応させた後、氷中などで急冷することにより、ガラス状の固体電解質が得られる。

 

全固体電池の固体電解質の溶融急冷法

 

メカニカルミリング法(MM法)

 

メカニカルミリング法は、粉末原料を乳鉢などで混合し、室温から高温で、ボールミルなどで機械的なエネルギーを与えることにより、ガラス状の固体電解質を得る方法です。

 

メカニカルアロイング法(MA法)とほぼ同じですが、メカニカルアロイの場合、合金化を伴います。固体電解質作製の場合には、合金化しないため、あえてミリングという言葉を使用しています。

 

ボールミルの種類には、 回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、攪拌ボールミルなどがあり、かかる時間や与えるエネルギー量、設備の拡大しやすさなどの違いがあります。

 

メカニカルミリング法のメリットは、室温で反応させることができる点です。これにより、原料の熱分解が起らず、仕込み組成どおりの固体電解質を得ることができるというメリットがあります。また、混合と同時に材料の微粉化も行うことができるのも利点です。

 

メカニカルミリング法のデメリットは、コタンタミ(不純物が入ること)です。ボールミルなどで機械的に混合すると、ボールや壁面が少しずつ擦り減り、それらの成分が材料に入ってしまうことがあります。

 

【作製の例】
例えば、五硫化二燐(P2S5)、硫化リチウム(Li2S)やハロゲン化合物を所定量乳鉢にて混合し、ボールミルを使用して100~900℃で、1~24時間反応させることにより、ガラス状の固体電解質を作製します。

 

全固体電池の固体電解質のメカニカルミリング法

 

固相合成法(固相法)

 

固相合成法は、原料を混合し所定温度で加熱することで、ガラス状の固体電解質を作る方法です。

 

【作製の例】

五硫化二燐(P2S5)、硫化リチウム(Li2S)、ハロゲン化合物を所定量乳鉢にて混合し、100~900℃で加熱することで、ガラス状の固体電解質が得られる。

 

全固体電池の固体電解質の固相合成法

 

溶液法(スラリー法)

 

溶液法は、溶媒と原料を混合して溶液化(スラリー化)させて、ガラス状の固体電解質を作る方法です。

 

溶液法では、メカニカルミリング装置のような特殊な設備は不要です。従って、低コストで固体電解質を製造することができます。

 

メカニカルミリング法のようなコンタミ懸念がありません。

 

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